Dual Senseのサポート始めてみました。

おはようございます。Pocolです。

こちらで改造版RdpGamepadですが,DualSenseを試験的にサポートしてみることにしました。
Dual Sense Alpha Version

基本的には,開発しているlibDS4を差し替えただけなので,RdpGamepad側のロジック変更はありません。
人柱になってくれるかたがいらっしゃいましたら,不具合報告などをいただけると有難いです。
また,ViGEmBus側が,Dual Senseに対応していないので,転送先PCではDS4かXBoxコントローラーとしてしか振舞いませんので注意してください。

キューブマップからスフィアマップへの変換

おはござ!Pocolです。

前回の記事では,スフィアマップのサンプルについて紹介しましたが,今回はキューブマップをスフィアマップ形式で展開して表示する方法について紹介します。
キューブマップからの変換については,Paul Bourke氏の“Converting to/from cubemaps”にまとまった説明があります。
この記事に書かれているキューブマップから正距円筒方式への変換処理は次のような感じになります。

// スフィアマップ形式で表示するためのキューブマップ参照方向を求めます.
float3 ToCubeMapCoord(float2 texcoord)
{
    // [-1, 1]に変更.
    float2 uv = texcoord * float2(2.0f, -2.0f) - float2(1.0f, -1.0f);

    float theta = uv.x * F_PI;
    float phi   = uv.y * F_PI * 0.5f;

    float3 dir;
    dir.x = cos(phi) * cos(theta);
    dir.y = sin(phi);
    dir.z = cos(phi) * sin(theta);
    return dir;
}

この変換の使いどころですが,ImGuiでキューブマップを表示するのが面倒なので,上記の関数をかまして2Dマップとして表示するのに自分は使用しています。
…というわけで,展開して表示する方法について紹介しました。

スフィアマップのサンプリング

こんばんわ。Pocolです。
スフィアマップのサンプリングについて,忘れないようにメモしておこうと思います。
スフィアマップのサンプリング方法について,Jaume Sanchez Elias氏が“Creating a Spherical Reflection/Environment Mapping shader”という記事を書いています。

この記事では,反射ベクトルからテクスチャ座標を以下の式で算出できることが紹介されています。

\begin{eqnarray}
s = \frac{r_x}{2 \sqrt{{r_x}^2 + {r_y}^2 + (r_z + 1)^2}} + \frac{1}{2} \tag{1} \\
t = \frac{r_y}{2 \sqrt{{r_x}^2 + {r_y}^2 + (r_z + 1)^2}} + \frac{1}{2} \tag{2}
\end{eqnarray}

OpenGL 2.0の仕様書, “2.11.4 Generating Texture Coordinates”の項目に式の記載があるので,この式(1)と(2)は正しいものの様です(下図参照)。

興味深いのはこの記事のコメント欄にあるPierre Lepers氏のコメントです。
上記の式(1)と(2)はさらに単純化することができます。

まず式の分母部分を\(m\)と置きます。わかりやすいように\(r_x\)を\(x\)のように添え字部分で表現することにします。
\begin{eqnarray}
m &=& 2 \sqrt{x^2 + y^2 + (z + 1)^2} \\
&=& 2 \sqrt{x^2 + y^2 + z^2 + 2z + 1 } \\
\end{eqnarray}

ここで両辺の2乗をとります。
\begin{eqnarray}
m^2 = 4 (x^2 + y^2 + z^2 + 2z + 1) \tag{3}
\end{eqnarray}

ところで,\(x\), \(y\), \(z\)は反射方向を表す単位ベクトルの各成分であるので,

\begin{eqnarray}
\sqrt{x^2 + y^2 + z^2} = 1 \tag{4}
\end{eqnarray}

が成立します。
式(4)の両辺の2乗し,式(3)に代入します。

\begin{eqnarray}
m^2 &=& 4( 1 + 2z + 1) \\
&=& 4( 2 + 2z) \\
&=& 8( 1 + z) \tag{5}
\end{eqnarray}

式(5)について両辺に対して平方根を取ります。

\begin{eqnarray}
m &=& \sqrt{ 8 ( 1 + z) } \\
&=& \sqrt{8} \sqrt{1 + z} \tag{6}
\end{eqnarray}

\(\sqrt{8}\)は変数が無く定数扱いにできるので,事前に計算しておくことができます。
あとは,これをシェーダコードに落とせばよいです。コードに落とし込むと次のような感じになります。

// 方向ベクトルからスフィアマップのテクスチャ座標を求めます.
float2 ToSphereMapCoord(float3 dir)
{
    const float kSqrt8 = 2.82842712474619f;
    float s = 1.0f / (kSqrt8 * sqrt(1.0f + dir.z));
    return dir.xy * s + 0.5f;
}

dir.zは[-1, 1]なので,平方根内は[0, 2]の間で変化するのでマイナスになることは基本的にはありませんが,もしかしたらコンパイル警告とかは出るかもしれません。
…というわけで,スフィアマップのサンプリングについて紹介しました。