前回の続きです。
今回はFalse Negative Passの説明。
False Negative Pass
Main Passでは前フレームの深度バッファをダウンサンプルして,現在フレームの深度バッファをでっちあげカリング処理を行いました。
当然ながら,適当にでっちあげた深度バッファだと誤判定される可能性があります。
そこで,False Negative Passで誤判定されたものを取りこぼしが無いようにちゃんと判定しようというわけです。
このパスでは,フル解像度の深度バッファを用いて描画を行います。
文献[1]には,理論的にはコンサバティブラスタライゼーションを用いれば,この第2オクルージョンパスでも1/4解像度の深度バッファが使えると書いてあるのですが,いくつかの問題があったためフル解像度を使っているようです。
ビジビリティバッファのクリア
False Negative Passの最初の処理はビジビリティバッファのクリアです。
これはメインパスと同じようにゼロクリアすれば良いようです。
ビジビリティバッファを埋める
メインオクル―ジョンパスのように,Early-DepthStencilテストを通過したピクセルをビジビリティバッファ中にVisibleとしてピクセルシェーダで各インスタンスをマークします。問題のあるオブジェクトすべては最初のパスでどっちみち描画されるので,カメラのニア平面背後にあるバウンディングボックスに対してクランプするコードの実行は不要になります。
インダイレクトドロー情報を生成する
インダイレクトドロー情報はメインパス中で生成されます。
このときには可視できるインスタンスドロー情報のみが生成されているので,遮蔽されたインスタンスに対する処理は不要になります。
インダイレクトにFlase Negativeを描画する
メインパスと同じように描画します。
ここまでは,文献[2]でも説明されているので,特に新しいことはありません。
ここから先はアイデア段階のものです。
…それは次回に説明します。