こんにちわ,Pocolです。
先週,1日有休を頂いて金・土・日の3日間でレイトレ合宿に参加してきました!
今年の開催場所
今年はグランドエクシブ初島クラブでの開催でした。非常に良かったです。Ogakiさんご夫妻には頭が上がりません。本当にありがとうございます!
初島へのアクセスですが,まず東京から新幹線で熱海まで向かいます。当日は天気も良く最高でした!
熱海駅に到着したら,熱海港まで路線バスで移動します。時間は15分ぐらいだった気がします。
熱海港から初島へは定期船が出ていますので,これに乗船します。チケットは往復でしか販売していません。
そのため,返る際にチケットを紛失しないように気を付けてください。
定期船は下の写真のように大体1時間おきに1本ぐらい出ている感じです。
初島についたら,エクシブから送迎バスが出ているので,それにのってフロントまで送ってもらいます。
着いたら,チェックインを済ませて,セミナー会場へ。
今年も例のごとく,ちゃんと「レイトレ合宿御一行様」の立て札がありました。
そして、今年のセミナー会場は,普通にカンファレンスか?っていうぐらい豪華な感じでした。
またセミナー会場から見える海の景色も非常に美しく良かったです(写真撮り忘れました)。
セミナー内容やレクリエーションについての詳細は後述します。
今年のレギュレーション
今年は,制限時間256秒内で初期から描画・終了処理まで含めて実行し,レンダリングの結果の美しさや技術を競い合うという内容でした。
昨年からの変更として,静止画での提出可能が復活しましたが,蓋を上げれば静止画の方は1人と非常に少なく,動画の方がほとんどでした。動画の方が見ていて面白いんですよね。カメラアングルとかシーンをどうやって選定したかとか,モーションがあるのかないのかとか,そういう所が個性として光るので良いです。
従来レイトレ合宿では,デノイザーのライブラリの使用は禁止されていたのですが,昨年あたり解禁になって,Optixデノイザーを使用している方もチラホラいました。
結構前からレイトレ合宿に参加していると,「デノイザーを使うのは邪道である。デノイザーを使わずに,そもそもを綺麗に描画すべきである」というような不文律のようなものが,以前は感じられたのですが,動画部門になってから「やっぱりそうもいってられねぇ」感が出てきたのか,最近はデノイザーを使うような感覚をもっていました。しかし,今年は意識的にデノイザーを使わない方も何人か増えてきており,従来のデノイザーは邪道であるという精神が戻りつつあるのかなと思っています。
私は今年もお手製のデノイザーは使いましたが,デノイザーかかっていないシーンの方が見た目も良い場合とかもあったので(もちろんファイアフライなどはありますが),もうちょいアルゴリズムや実装を改良して,デノイザーを出来るだけ使わなない方向に来年は持っていければと思っています。
今年のリザルト
10/11~10/13に開催されたレイトレ合宿10の結果を公開しました!
🥇makeshift by @Shocker_0x15
🥈redqueen by @ShinjiOgaki
🥉Ether by @Eclmist
入賞された皆さん、おめでとうございます!
来年も素敵な作品に出会えるのを楽しみにしています。
🔗https://t.co/LFpLk7Rcu5#レイトレ合宿 pic.twitter.com/D7BGcHi9Dz— ykozw (@ykozw88) October 13, 2024
下記ページから参照できます。今年もクオリティが高い作品ばっかりで凄かったです。
是非,各自で皆さんの動画を一度ご覧頂きたいですね。またソースコードへのリンクも記載されているので,これから実装をしようとしている方は参考にするとよいかもしれません。
https://sites.google.com/view/rtcamp10
今年の1位は Shcokerさんの makeshift でした。コースティクスが非常にいい感じが出ていて,「かっこええなぁ」と思いました。こういうの一度自分でもやってみたいです。
ちなみに上記の高品質版が,X(旧Twitter)にて公開されています。
ルールに縛らないゆっくりかつ高spp版#レイトレ合宿 pic.twitter.com/7aVZEkqW8q
— Shocker (@Shocker_0x15) October 14, 2024
2位は Ogaki さんの redqueen です。個人的には実装紹介で足滑りの解決とか,かなり実践的な内容を紹介されていて,非常に参考になりました。今後の絵作りに非常に使える内容を教えて頂いた気がします。
ちなみにOgakiさんの作品はJakob先生からも素晴らしいと評価されていました。いや、本当凄いですよね~。どんな実装になっているんだろっていつも思っています。
3位は Samuel さんの Ether です。セミナーでも話されていた内容が使われていて,非常にかっこよく,レンダリング結果も綺麗で良かったです。
自分の方は…というと全然仕事が多忙で,あんまりコード書く時間を取れませんでした。やっぱり,直前ではなく少しずつ日頃から書いておかないとダメですね。反省しました。正直,あまりにもダメダメだったので,来年こそはちゃんと頑張りたいです。提出させていただいて,順位が着いただけでも,非常にラッキーで,提出作品については本当に反省すべきだと思います。仕事ばっかりやっていてはダメですね。
今年のセミナー
今年のベストプレゼンター賞は,holeさんで「知られざるNaNの世界」という発表でした。
Nan-Boxingや,実際のsNanやqNanの確認方法などが紹介されていて,我々グラフィックスプログラマーはNaNと戦う場面が多いので,非常に良い資料だなと思います。是非,一読することをお勧めします。
個人的には,yamucyawizさんの「ReSTIRの数理と実装」とykozwさんの「マジックナンバー0x5F3759DF」と,Samuelさんの「Overlapped Multi-View Renderingの発表」がとても良かったです。どれも仕事でも有益そうだなという内容でした。
特にykozwさんの話はシェーダ最適化のための近似計算に応用が利きそうな内容なので,早速実装されているマジックナンバーの改修をしようと思いました。
上記で述べた以外にも,その他にも沢山ためになる資料があがっていますので,興味ある方は一度チェックしてみると良いかと思います。
年々,非常に有益な資料が多く,個人的には非常に助かっています。なるべく,自分としてはただ消費する人「いわゆるくれくれ君」状態にはならず,きちんとアウトプットを今後も続けていき,give and takeを守っていきたいです(昨今だとtakeするだけの人が多く,giveする人が非常にレアになりつつあるので,ヨロシクないと個人的には思っています)。
ちなみに私は,Hardware-Raytracingをフォトンマッピングの実装について紹介をしました。
発表スライドはSpeakerdeckの方に上げています。基本的には過去のレイトレ合宿の資料等でフォトンマッピングについて実装を知っていることが前提となるため,初版では前知識についての詳細は時間の都合上バッサリとカットしています。ここについては時間的な余裕が出てきたら,今後資料をアップデートして追記しようと思っています(いつになるかはわかりませんが…)。
今年のレクリエーション
レイトレ合宿恒例のレクリエーション,過去にはピンホールカメラづくり,昨年はMERL BRDF 神経衰弱がありました。
今年のレクリエーションは部屋対抗Sponza ジグソーパズル組み立て競争でした。制限時間30分で500ピースパズルを作るというもの。いやぁー、白熱しましたね。
こういうのを選ぶ非凡なセンスが素晴らしいですよね。面白い!
残念ながら,どのチームの完成までにはたどり着けなかったのですが,合宿終わってからYoshi’s Dreamさんがチャレンジしていましたが,完成までに7時間かかったそうです。ちゃんと完成させていて凄いし,9時間ぐらいかかるとか言われていたので,完成させるの速いw。
Crytek Sponzaパズル(500 pieces)完成!
所要時間: 7時間 #レイトレ合宿 pic.twitter.com/0QxcQ1uvw9
— Yoshi’s Dreann (@TTRS_Yoshi_CG) October 14, 2024
終わりに…
今年もレイトレ合宿に参加できて良かったです。
ykozwさんに聞いたところ,第1回から作品提出をしているのは自分も含めて3人しかいないとか… 結果はどうであれ,作品を提出し続けることは継続していきたいです。あと,出来ればもうちょい順位も上げられるようにちゃんと取り組みたい!
運営のお三方,今年もありがとうございました!皆さんのおかげで,今年も有意義な時間を楽しく過ごすことが出来ました。
大変ありがとうございます。また,来年の開催も期待していますので,よろしくお願いします。
あと,最近「どうやったらレイトレ合宿に参加できるんですか?」という質問を頂くこともあるのですが,基本的には招待制になっているので,「我こそは!」という思う方は,X(旧Twitter)にて,自作レンダラーの画像を上げまくると声がかかるかもしれませんね。
…ということで,今年のレイトレ合宿参加レポートでした。