CEDEC 2024 -Day1-

こんばんわ。Pocolです。
CEDEC1日目が終了しました。
今日は以下の講演を聴講しました。

  • 鉄拳シリーズを通してみた格闘ゲームの変遷とその未来
  • “Game Survey”で開発・デバッグ効率が向上した取り組み AtoR from FINAL FANTASY XVII
  • PlayStation5上で人間のプレイヤーと同条件でのゲームプレイ自動化を実現するAI技術
  • プロシージャルゲームコンテント制作ブートキャンプ
  • リアルタイム光学エフェクトの深淵~究極表現への道と位置~
  • 『FINAL FANTASY VII REBIRTH』における会話イベントの量産とアニメーションワークフロー
    • 鉄拳シリーズを通してみた格闘ゲームの変遷とその未来

      とある諸事情で基調講演が事前収録に。
      鉄拳シリーズ30周年で,PlayStationで一番最初にミリオンを達成したのが鉄拳2とか,色々と多くのギネス記録を保持していて,1232件ぐらい検索するとヒットするらしい。他のゲームは普通数十件程度らしい。
      また,ネタとしてハリウッド映画の中で最低点を叩き出したことについても触れられていました。寝たい方はおススメとも力説されておられました(笑)。
      講演の中で鉄拳のストーリー紹介するのに「いらすとやさん」に平八などの絵を買いえてもらったとかで,ショートでまとめていたのが面白かったです。
      あとは,実売の情報もばばーんと出ていたのが,何気にすごかったです。
      他の会社とかだと伏せるところが多いですが。
      販売の割合を円グラフで紹介していたのですが,ヨーロッパなどで51%1で,北南米で33%の売り上げで日本は3%程度しかないそうです。
      鉄拳はコミュニティを大切にして,育ててきたっていう話が結構印象深かったです。やっぱり昨今見ていると,勝手に育たんよなと,いくつかの失敗事例とかも見て感じますし,やっぱりやってくれるファンを大切にしないといけないよなって共感しました。
      あと,意外と背景作り込んでいて,開発費が高騰するという問題に触れられていました。これは別に鉄拳に限ったことではなく,すべてのゲームがその傾向があると思います。この問題は本当に死活問題なのですが,うまい解決案が個人的にも出せておらず,業界全体の課題ではないかと思います。一筋の光となるのはやはりAIを利用した開発支援かなとは思っているのですが,まだ各社模索中ではないかと思っています。逆にもう打開したよ!っていう事例があれば,CEDECなり公の場で是非発表していただきたいです。事例ができると一気に物事が進む可能性はあるじゃないかなと思っています。
      アーケードゲーム開発経験はさっぱりなので,ゲーセンで電圧下がって,CPUクロックが下がり,浮動小数点誤差が発生するとかの話は,やっぱりプログラマーなんですかね,興味深かったです。あとは,ヒット判定が円柱というのもほぇぇと思いました。押し出しは球でやっているらしい。
      開発に役立つかどうかは全く分からないのですが,話としては面白かったです。

      “GameSurvey”で開発・デバッグ効率が向上した取り込みAtoR from FINAL FANTASY XVII

      今日聞いた公演の中で最も実用的な内容でした。
      CEDEC 2017のゼルダのデバッグの紹介が本公演のきっかけだそうです。
      バグチケット対応とかやっていると,「それどうやってやるねん?」とか「カメラのどの向きで,該当オブジェクトどれやねん?」みたいな文章から再現しても全然わからんわ。…みたいな状況が開発しているとよく発生するので,いちいち確認するのにSlackでメンション飛ばしたり,それの応答待つために何回かやりとりしないといけないとか,結構無駄なやりとりが発生しがちなんですが,カメラ座標の他にカメラ方向などのいくつかの情報を即時に反映させられて,無駄なやり取り少なくなって開発効率向上したよって話です。断片的な情報で聞くと,プログラム的にはあんまり大した内容ではないのですが,こういう地味なのが一番開発には効くと思います。自分的にはかなり良い公演でした。
       雑にいうとURIでジャンプして該当箇所の位置・方向を合わせて看板表示もできるようにしたよっていう感じです。講演資料が後ほどあっぷされたらぜひ見てみると良いと思います。おススメです。

      プロシージャルゲームコンテンツ制作ブートキャンプ

      Houdiniを用いて,水などのシミュレーションをしましたって話でした。
      Blender等に比べるとやっぱりお高いだけあってパフォーマンスが良いなどのメリットがあるそうです。
      TAさんとかが好きな内容かもしれませんが,UEとか使っている環境だと簡単にインポートできるとかでいいのかもしれません。正直に絵的にもしょぼいし,あんまりテクニックを教えてくれるという感じの講演でもなかったので,スポンサーセッションだなという感じでした。

      リアルタイム光学エフェクトの深淵へ~究極表現への道と位置~

      幾何光学ベースから波動光学ベースに手法をアップデートして,ボケ表現をグレードアップしたという内容でした。1時間に収まらないため,ボケの話に急遽絞られたようです。
      事前知識は必須ですが,これまで川瀬さんの講演を追ってこられた方は,非常にわかる内容だったのではないかと思います。ペンシルマップ作成が、リアルタイムになっていたのが意外と驚きでした。オーサリングしやすそうでいいなぁと思いました。
      あんまり,詳しく解説できる技量がないので,興味ある方はCEDILのスライドを参照していただくのが良いと思います。

      『FINAL FANTASY VII REBIRTH』における会話イベントの量産とアニメーションワークフロー

      自分はUEを仕事で使っていない勢なのですが,製品に使われている内容だけあって,非常に参考になるものがありました。
      4秒・6秒とか結構細かい単位でモーションを区切っていて,会話の尺から近いものを採用するとか,一言目は裏読みするため,二言目からカメラが変わるとか,…そういうことだったのか。みたいな知見も得られて,良かったです。でも講演で結局,手動調整9:自動調整1の割合で,あんまりやっぱり自動化できないのかーと,それでもゼロから作るよりは格段にマシだと思いますが,なかなか全自動にするのはやっぱりできないんだろうなと痛感しました。